「幸福」の正体を暴く9冊の本。

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「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」


卒論の執筆に向け、更新が滞っています。
どうせなら、と文献のいくつかをご紹介します。

卒論のテーマ、おおざっぱに言うと「幸福」です。
哲学的なテーマではなく、「世界各国の幸福度」といったようなものを素材とする、幸福研究です。

これらの本を読んでも、幸福になれることはないでしょう。
ただ、興味深い内容に惹かれて急いでページをめくることが本読みの「幸福」であるのなら、「幸福になれる本」という言い方もできるかも知れません。

それぞれの本についての書評も書きたいのですが、取り急ぎ概略まで。



手に取りやすいポップな表紙。簡略なタイトル。
「あらあらどんなもんかしら」と新書のような気分で手を出すと火傷します。
非常に豊富なデータと統計的な解析を駆使して、ガッツリ幸福について切り刻んでいきます。

でも、各章の終わり、最終章のまとめを読むだけでも十分おいしい一冊です。
上手にエッセンスをつまみ食いしてやりましょう。




完全なる、資料です。
国際的プロジェクトである「世界価値観調査(World Values Survey )」をまとめたもの。
無骨にデータが並びます。
しかし、意外とはまってしまう。

小さい頃、ゲームの攻略本をむさぼり読んでいました。
データの集まり、て興奮しませんか?
見えていた世界、見えていなかった世界が数字の力で浮かび上がってきます。




丁寧に訳されていて、読みやすい一冊。
経済学と幸福研究の別離、そして政治へと幸福への糸口をつかみにいきます。
読みやすくて中身は硬派。




幸福に関する四方山話、という感じの1冊。
示唆には富むけれども、示唆で終わっている印象です。
しかし、後半のブータンをテーマにした座談会は中々秀逸。
特に、西平教授のリアリスティックな「幸福な国ブータン」への切り込みは、こちらが無意識的に持っていたモヤモヤに風穴を空けてくれます。


暗いブータンを願うわけではないです、もちろん。でも、近代化されてない部分のブータンをすばらしいと賛美するのは、子どもの無垢を大人が賛美するのと同じですよね。今あの国の人たちは、新しい近代の文化、典型的にはインターネットであり、英語でありを、どうやって今までの価値観とかね合わせるかで本当に苦労しているわけです。だから、よその僕らが行って、英語が入ってない時代はよかった、この地方の人たちは以前こんなに幸せだったと言うだけでは、よくないように感じるのです。




幸福を求めているのはブータンだけじゃない!
「幸福な地域」を目指す新潟市。細かな事例と分析が詰まった濃い一冊。
鍵となっているのは「ソーシャル・キャピタル」。




幸福を求めているのはブータンと新潟市だけじゃない!
というか、こうした取り組みはすでにいくつかの地域で行われています。
これは、荒川区の取り組み。内容は、関係者の方々のコラム集という形で、学術書といったものではありません。




最も痺れた一冊。
興奮します。目からウロコが溢れ落ちます。
隙を見せたらすぐに噛み付いてくるアメリカンジョーク。
冗長にならず、ここまでユーモアと理解の促進を兼ね備えたジョークは初めて見ました。
この本を読んでも、幸福にはなれません。でも、「どうしたら幸せになれるんだろう」と考える人には、ぜひ読んで欲しい一冊です。
TEDでも活躍中。






事例も豊富で、幸福研究に興味のある人は上のダニエル・ギルバードと併読するとはかどる一冊です。なぜか。
『幸せはいつもちょっと先にある』もこの本も同じ研究結果をよく引用しているのですが、文献が明記されているのは『幸せを科学する』のみ。




進化心理学者が見つめる幸福。
しかし、内容は決して堅くなく、「読み物」として成立している良書です。
これからの秋の夜長に、ぴったりかも知れません。



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