コダマの谷 王立大学騒乱劇

コーヒーでも可。


とってもお洒落な絵。
女性の書き手ということにとっても納得させられる。

中世ヨーロッパぽい舞台で天才レベルの学生の主人公が、王位を継ぎたくない王子に巻き込まれてすったもんだ、という、決して突飛ではない作品。
派手さもあるわけじゃない。

でも、その特に珍しくない物語を、お洒落な絵と雰囲気で、ふわっと良質マンガに仕上げている感じ。
良い意味でね。

「良作」ていう感じがしっくりくるかなぁ。そして上品。

突っ込んで言えば、毒にも薬にもならない。

このマンガを読んで深く感動もしないだろうし、かといって作者の姿勢に嫌悪感を抱くこともないだろう。
さらっと、ふわっと読み進められる。

だから、上品な童話とも言えるかもしれない。
例外を除けば、僕たち大人が童話を読んだ時の感想は、「ああ、いいねぇ」程度のもんだと思う。
別にそこに衝撃的な展開も、価値観の揺さぶりも求めていない。
いや、もちろん対象年齢が違うのは大きいけれど。

このマンガも、美しいし、そこに漂う雰囲気にじんわりと癒される。
そこに衝撃はない。

ただね、小説やマンガ、つまりは本の意味って、決して僕たちの考えをぶっ壊したり、新たな気づきを与えてくれる、なんてことに限定されないと思う。

毒にも薬にもならない、と書いたけど、晴れた日曜の昼下がり、なーんかだるいなぁ、と思って薬を飲むだろうか。
きっと、広い公園のベンチにでも座って紅茶でも飲みてーなーと思うはず。

だよね?
とりあえず僕はそうです。
そんな時、あったかい紅茶になってくれるのが、この本。

『読む』ということに癒されたい時、そっと本棚から出して、このマンガに身をゆだねてみるといいかも。



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