リアル・スティール

リアル・スティール

剛腕アトム

”「俺を見ろ」”


所用でスウェーデンに行っていて、更新が大幅に遅れてしまいました。
スウェーデンでの成果は非常にたくさんあったので、小分けして記事を書こうと思っていますが、その前に機内で偶然みた『リアル・スティール』が思いのほか良かったので先にその紹介を。

もう、典型的なアメリカ映画。
昔は一世を風靡したものの、今はうだつのあがらないプロボクサーが、人間の代わりにロボットに試合させるロボットボクシングのプレイヤーとして戦う日々。
まぁうまい結果で出ているわけもなく、もう破産寸前、というところで生まれた時に放り出していた息子と捨てられていたロボットの力を借りて、何やかんやあって大成功する、という話。

ザ・アメリカンドリーム。
話には特に何のひねりもないし、展開も予想できるのばかり。

でも、面白かったんだよなぁ。

そういった大味な話を引き立てるには、映像の力ってのはすごく大きい。
そして、この映画の映像は、とても良かった。

最新のCGで人間より一回りも二周りも大きいロボットが殴り合う、楽しくならないわけがない!

ガンダムだったり、マジンガーZのような巨大ロボとはまた違うんです。
こう、リアルな大きさではあるけれど、人間では決して適わない図体のロボットが原始的に殴り合う試合。
かっこいいです。

本当に、ダウンをとった瞬間拳を握ってしまった。

この映画、マクドナルドのビッグマックみたいな映画です。

味なんて分かってるんです。
毎日食う気にもなりません。
でも、時々無性にかぶりつきたくなる。
そして、かぶりつく。
口に広がるのは全く想像を裏切らない味。
でも、求めているのはそのジャンキーな大味。

そんな感じの映画です。
機内食として、ビッグマックは僕にとって当たりでした。


最初は、11歳の子供の成長映画かと思った。
主人公たちのロボットはこっちの動きを見て、まねをする。
それで、少年がいろいろな技を教えたり、常に一緒にいる。

「ああ、動きをまねするってのはうまいなぁ。この子が強くなるにつれてロボットも強くなっていく、少年の成長がロボットの強さとリンクするのか」

なんて思いながら見ていました。

でも、気づけば始めは少年が操作していたロボットはチャーリー(元プロボクサーの主人公)が操作するようになり、少年は11歳のくせして「アトム(ロボット)にボクシングを教えるのはチャーリーにまかせるよ!僕はプログラミング!」なんてことを言い出す始末。
その後の流れでも、いや、始めから、マックス(少年)に子供らしいことろなんてない。

やると決めたら絶対に実行し、高額でアトムを買うと言われてもノーと突っ張る。
もちろんこういった”揺らがない意志”てのは子供にも見られるものだろうけど、マックスの実行力はチャーリーをはるかに越えている。

はい、ということで、途中で気づいたんですが、これはチャーリーの成長、いや、復興の物語でした。


土に埋まっていたのは、アトムではなく、チャーリー。
過去の名声も、実力も衰え、何事にも「無理だ」と諦めている古ぼけたロボット、チャーリ。
それを掘り起こしたのが、11歳のマックスだったと僕は感じました。

この、「掘り起こす」という言葉は、すごく自分の中でしっくりくる表現です。

マックスは、土に埋もれていたアトムと、何事も諦め、自暴自棄になり世界で埋もれていたチャーリーを掘り起こした。

チャーリーが拳をふるえば、アトムがそれに呼応して剛腕を繰り出す。
チャーリーが華麗にステップすれば、アトムが相手のパンチを華麗に交わす。

そんな熱い展開に、やられました。


ご都合主義的なところは相変わらず。
11歳の少年が大人の2倍くらいあるロボットを1人で掘り出して持ってくることなんて出来ないし、彼氏がいるのに、主人公とキスをしちゃうヒロイン。

「やっぱりキスシーンかよ!」

と僕はどうしてもツッコミを入れたくなってしまうんですが、まぁこれがメリケン映画か、とその勢いに無理矢理納得させられるのも事実。

まだ上映しているようなので、たまには大味なハッピーストーリーで鬱憤晴らしたい人は、ぜひ。
やけ食いに適した映画です。


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