ジョーカー・ゲーム

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安定したスリル

「敵と直接肉弾戦を交える、あるいは生存術を駆使しなければ生き残れないなどといった状況は、スパイにとっては――死ぬ、殺すに次いで――最悪の状況だ。それが最悪の状況であるからこそ、貴様たちはそのための準備を怠ってはならない。だが、それだけだ」


リアル・スティールに続き、旅行に持って行った本。
続き、というか、行きの飛行機の中で読了。
リアル・スティールは帰りの飛行機で観ました。

舞台は太平洋戦争を目前として昭和12年、スパイ養成機関として大日本帝国陸軍に設立された通称“D機関”のエージェント達の暗躍を描いた作品。

ずば抜けた才能、知識、判断力、行動力で危機をかいくぐり、目的を難なくこなしていく。
感覚的には、シャーロックホームズのスパイ版のような感じ。

昨日リアル・スティールをビッグマックみたいだと評したけれど、これ、は言うなればカフェ飯

僕はカフェに行くのが好きです。
で、そこでご飯を食べることももちろんあるんですが、「これ、めっちゃうまい!」と感動したことは特にありません。
たいていは、写真や名前から想像できる味。
いや、おいしいですし、お洒落なカフェで食べるご飯が僕は好きです。

このジョーカー・ゲームの展開も、正直に言えば想像できる展開。
だって、天才級のスパイが行動するんだもの。
どんな窮地に陥ったって、何とかするに決まってる。
どんな危険な目にあったって、最後はかっこよく部屋で紅茶でも飲んでいるに決まっているわけです。

でも、カフェ飯の何がいいって、ご飯自体に驚きはなくても、内装であったり、BGMであったり、上手にそれらがパッケージ化されているところ。
僕はカフェでのコーヒーやご飯にお金を払っているというより、お店が作った雰囲気に対してお金を払っている感覚。

同じように、この本も、小粋なセリフであったり、適度な窮地であったり、帝国時代に暗躍するスパイといった舞台装置など、さまざまなギミックをきれいにパッケージにして表現している。
全体がスマートに統一されている。
リアル・スティールの大味とは全く異なる、丁寧に束ねられた物語たち。

とっても上質。
毒気はないですが、その分多くの人が味わえる料理になっていると思います。

続編も、読もう。

単行本

文庫本


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