『テラフォーマーズ』—人類最大にして、永遠の宿敵

978-4-08-879270-5

害虫として駆除されるのは——俺たちのほうではないか?


まずは↓を読んでいただきたい。試し読みができます。
スマートフォンだと厳しいかも知れません。

テラフォーマーズ 特設ページ |ミラクルジャンプ


久しぶりに絶望感を覚えたマンガです。

地球の人口増加に対応するため、世界は火星への移住計画を決めます。
火星を人間が住めるような環境にするため、適応能力の高いゴキブリを火星に放ちます。

ゴキブリです。ゴキブリ。

このように惑星を人間に適した環境に造り変えることをテラフォーミングといいます。
これは実際に研究されています。

テラフォーミング – Wikipedia

そして満を持して、ゴキブリを放って月日が経った火星に降り立つと、驚愕の進化を遂げたゴキブリたち。




こ、こわい。

怒りを浮かべて人間に襲ってくるのなら、まだいいんです。
そこに感情があることが分かって、共感、もしくは反感を覚えることができます。

しかし、彼らは終始無表情。
それでいて残忍に人間を殺していきます。
話し合う余地も何もない。

また、登場人物も容赦なく殺されていきます。
ヒロインのような女性キャラ、無口で強そうな兵士。

彼らは一瞬にして首がもげ、四肢が引きちぎられます。

進撃の巨人やダレン・シャンと似ていますね。
登場人物の、これまでの人生や感情、思いは関係ありません。
圧倒的な暴力に蹂躙される様は、まさに絶望です。

進撃の巨人しかり、設定はフィクションそのものであるのに、理不尽な暴力はどこか現実的で、ぞっとします。


そして、そんな黒い悪魔のようなゴキブリに対抗する人間たちも、それぞれ虫のDNAを体に取り入れて体を強化します。
その虫たちが、実にマニアックで素晴らしい…!

200度で熱せられても、マイナス270度で凍らされても、真空状態でも死なない、ネムリユスリカ!
人間でさえ恐れるグンタイアリの行列が唯一避けて通る昆虫、弾丸アリの異名を持つパラポネラ!
ゴキブリの脳の逃避反射だけを破壊して生きたまま奴隷にする、エメラルドゴキブリバチ!

熱い。熱いです。


人間と昆虫のハイブリットとしては、仮面ライダーが思い浮かびます。
彼らは強制的に虫の力を混合され、人間と昆虫の狭間に葛藤しながら拳を振るいます。

しかし、テラフォーマーズの主人公たちは、多額の報酬金を得るために、自ら志願して昆虫の力を体内に取り込みます。
ゴキブリへの怒りも相まって、それぞれの特殊能力が全力でぶつける姿に、興奮します。


それでもやっぱり、最大の魅力は、ゴキブリから感じる圧倒的な恐怖。
部屋の暗がりから、ぬっと彼らが顔を出してきたらと思うと、ただただ怖いです。

ミラクルジャンプでの連載でしたが、ヤングジャンプでの週間連載に移行するとのことです。
ゴキブリの恐怖におののく人たちが倍増しそうです。

第一巻は、ハリウッド映画のラストのように、気持ち悪い余韻を残す終わり方です。
「この作品はフィクションです」と巻頭に書かれていますが、ぜひそうであってもらいたいものです。



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