『異郷』—西江雅之が「居る世界」と「見る世界」。

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 わたしはいつしか昆虫採集を止めて、写真を撮るようになった。被写体となる事物も、それぞれの道を持つ。景色には、季節や天候や背景が整って、良い顔を見せるまでの道がある。人は人生という道を歩みながら、それぞれの場でそれぞれの表情を見せる。わたしは路上に立ち、求める対象が気に入った場面の中に姿を表すと、シャッターを切る。
 この本に残されている写真は、ある時、ある場所で、わたしの眼前に現れた事物から掬い採った影なのである。



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これから読む本2



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